
皆さんAlii!(アリー・パラオ語でこんにちは)こんにちは!
パラオは日本から真南に3000kmの、世界自然文化遺産にも登録された常夏南国リゾートアイランドです。
そんなパラオで生活して早11年!
パラオの海と太陽、そして月の満ち引きを感じながら毎日を過ごしている私が、パラオの国旗に秘められた美しい真実の物語を紹介していきます。
- パラオの国旗は日本と似てる?
- パラオの国旗の歴史
- なぜパラオ国旗の真ん中の丸は左にずれている?
- パラオの国旗に秘められた意味
- パラオ国旗に関するデマの真相は?
という流れで紐解いていきたいと思います!
なお、このたび筆者も国旗について壮大なストーリーを描きたくて、パラオ政府公認の非常に勉強熱心なエコツアーガイドさんに聞き取り調査をしました。
また、パラオの歴史や文化について書かれた文献も読み、新たな発見もありましたので、全部公開しちゃいます!!
既にミステリアスな雰囲気満載ですね!ワクワク・・・・
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パラオの国旗は日本と似てる?由来やルーツを探ってみた

日本の日の丸は、「真っ白の背景に真っ赤な丸」という非常にシンプルで美しいものですが、パラオの国旗も非常にそれに似ています!
国を表す旗が似ているなんて、凄く興味深いですよね・・・
パラオと日本の関係に何かヒントがあるのでしょうか?
う~~ん!気になりますっ!!

こうやって並べてみても、やっぱり似ています!
っていうか同じ!?
ちょっと違う??
いや、実は全然違う!!??
というわけで、パラオの国旗も日の丸なのか?日本との比較を交えながら、【パラオ国旗、徹底解剖】をしていきましょう!
パラオ国旗のデザイン
はい!そうです!
まずはこちらがパラオの国旗ですね!

とってもシンプルで、一度見たら忘れないインパクトがあると思いませんか?
私自身、小学生の頃に社会科の授業で使っていた「地図帳」の最後のページ【世界の国旗】の中で、このパラオの国旗は凄く印象が強く、覚えていました。
パラオ共和国という国が、一体全体どこにある、どんな国か全然知らなかったのに・・・日本と色違い!!という衝撃を今でも覚えています(笑)。
四角い国旗の中に一つの丸。
こ、これはおそらく、世界中で一番シンプルなデザインではないでしょうか・・・
パラオ国旗の色
この色がまた衝撃的というか、明るい!!という感じですね。
いかにも南国!
水色の中に黄色い丸。
これは、パラオの海。
そうなんです!空ではなく、海なんですね!
そして、実はこの黄色、これは太陽ではなく月なのです!
私は以前、勝手にてっきり太陽だと思っていました。南国のサンサンと輝く太陽のイメージ、そして抜けるような青い空。
でも、真実は「海」そして「満月」なのです。
では、なぜパラオを表す国旗のデザインが海と月なのでしょうか?
パラオ国旗の配置
日本の国旗【日の丸】は、満々中に赤い丸の太陽がありますよね?でも、よく見るとパラオの場合は真ん中ではありません。
少し中央よりも左側に月が配置されています。

これにはどんな意味があるのでしょう?
気になることが満載です。
なぜパラオ国旗の真ん中の丸は左にずれている?
これは、様々な説がありますが、多くの説は後で考えられたものであり、デザインをした人は深く意味を考えていたわけではないようです。
「最初は真ん中にしていたけど、ちょっとずれた時に、これもなかなかいい!と思った」
というようなお話がインタビューとして残っています。
考えてみれば、「真ん中である」という必要性もないですもんね・・・
これに関しては、最後の「パラオの国旗に関するデマの真相」でもさらに詳しく見ていきたいと思います。
パラオの国旗の歴史
パラオの国旗が作られたのは、実はそんなに昔の話ではありません。
どういう経緯で作られたのか、パラオを知る上でも、実はとっても興味深いストーリーなんです!
パラオの国旗はいつ決まったの?
1981年、パラオが国連信託統治から脱した時に、この国旗が制定されました。
歴史的瞬間です!
それまでパラオは、様々な国に統治されてきた歴史があり、初めて自国の旗を持つことに至ったのです。
パラオの人たちは、どれほどこの国旗をあふれる思いで見上げたことでしょう・・・
想像するとウルウル来てしまいます。
パラオの国旗はコンテストで選ばれたって本当?
そうなんです!
これがまたなんともパラオらしいではありませんか!
パラオの人が考えて、パラオの人が選ぶ。
そうやってパラオ人みんなの思いを載せて、1979年に行われた国旗コンテストにおいて選出されたのが、このパラオの国旗なのです!!
そして、翌年国会において採用され、いよいよ本当の独立国家としての旗が決定したのです。
やばいです・・・もう本当に泣きそうです(笑)・・・
ちなみに、パラオの神話の中でも多く登場する「蜘蛛」のデザインも、多くの作品の中からノミネートされたようです。この話でもわかるように、パラオの人は自然を大切にし、自然とともに生きてきました。
蜘蛛だけでなく、パラオでは多くの動物を神として大切にしています。
それを守っている大きな大きな海。選ばれたことに大大大納得ですよね!
パラオの国旗をデザインしたパラオ人は誰?
はい!ここで、この素敵な国旗をデザインされたパラオ人が一体どんな人なのかみてみましょう。
凄く気になりますよね!
とってもロマンチックでパラオに対する深い愛がある方です。
女性なの?男性なの??
こちらはなんと・・・
John Buau Skebong(ジョン・バウ・スケボーン)さんという男性の方です。
とっても優しい雰囲気の方で、筆者も実は食事をご一緒したことがあり、素敵な方なんです。自分のデザインが「パラオ独立後初の自国の旗」として選ばれるなんて、本当に凄いことですよね?
選ばれた時、どんな思いをお持ちだったことでしょう・・・
パラオの国旗に秘められた意味
このパラオ国旗のデザインには、もちろんデザインした人の思いがあります。
はたしてどんな意味をスケボーンさんは込められたのでしょうか?
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パラオ国旗のシンプルなストーリー
このパラオ国旗には、次のような意味が込められています。
青は「常にパラオを支えてきた海」
満月は「独立国家としてのパラオの出現」
なんと・・・
とてもシンプルで、深い思いが伝わります。
常にパラオの人たちが海と共にあったこと、海によって生かされてきたこと。
そして、ずっとずっと静かにそこにいながらも、他国によって統治されてきた長い長い歴史の中で、初めて独立をし、一国として立ち上がること・・・
あかん、泣きます(笑)・・・

シンプルな中に壮大なストーリーがありますね・・・。
もうこうなってくると、いろんな国のいろんな国旗について調べたくなっちゃいますね(笑)。それにしても、本当にシンプルなのがパラオらしくて良いです。
真実は、シンプルなものの中にこそ宿っている・・・そう考えずにはいられません。
パラオの国旗に思いをはせる、思いを投影する、ロマンを感じる
国旗をデザインした人、そのデザインを選んだ人、その国旗と共に生きてきた人、今のパラオ。
国旗一つの背景を想像してみるだけで、様々なその国の持つ歴史、そして人の思いを感じることができます。
そして、その全てを、パラオの宝である大自然が大きく温かく、ただただ静かに佇んで、包み込んでくれているようです。

パラオに興味を持たれた方、パラオ旅行をお考えの方、パラオで働いている方、毎年パラオに来るパラオ大好きリピーターの方。
皆さんがパラオを思う理由は様々だと思いますが、共通するものは「自然」、その中でもとりわけ「美しい海」ではないでしょうか?
その美しい海が国旗そのものの背景であり、そして月の満ち引きを生活の中でもとても大切にしているパラオならではの、自然と共に生きる暮らし。
様々な政治的意味や強さの象徴などではなく、「自然と共に、自然を大切に」生きてきた、そしてこれからも生きていくパラオのシンプルだけど深い自然に対する思い。
この国旗そのものに、パラオという国、そしてパラオの人々の魅力がギュッと詰まっているような感じがしませんか!?
独立する時に一般公募と投票で決められた、初めて自分たちの国を象徴するこのデザイン!
その当時の人々の思いを想像すると胸が熱くなります。
大きなロマンを感じすにはいられません。
パラオの国旗に関するデマの真相は?
では最後に、パラオ国旗に関しての様々な「うわさ」をみていきましょう。
パラオ国旗に関しては、やはりデザインが日本と似ていることもあって、興味関心を持たれている方が多いようですね。
その分たくさんのユニークな情報があるようですよ!
例えば・・・
- パラオ国旗は信頼する日本をまねて作られた
- パラオの国旗の中の丸は、尊敬する日本とかぶらないように、尊重してあえて左にずらした
- 月の位置が左よりなのは、はためいたときに真ん中に見えるため
- 青と黄色は、平和と静寂、海と陸の豊饒を表している
- 日本、パラオ、バングラデシュは日の丸三兄弟
こういった様々なお話が出てきます。
最後の日の丸三兄弟はなんだかずいぶん前に流行った「だんご三兄弟」的な言い回しのような(笑)・・・
はい、これらは全て本当であり、本当でないと私は考えます。
実はデザインをしたスケボーンさんは、全ての説を「違うで」とおっしゃっています(笑)。
これは、否定というよりも「いや、そこまで考えてないよ」という優しい感じと言いますか、もっとシンプルなんだよ、という感じでしょうか。
パラオを育んでくれる「海」と「月」、その大切な二つをモチーフにしたと。そこに、様々な人が思いを馳せ、それぞれのパラオを思えば良いのだと…。従って、これらはずべて「デマ」と言えばそうも言えますが、実際は「パラオの国旗に乗せた様々な人の思い」でもあるのです。
違う言い方をすると、「意味の後付け」ともいえるかもしれません。
デザインをした人は、シンプルに「海」と「月」を選んだ。
それを見た様々な人が、様々な意味を想像し付け加えた。
そういう事ですね!
ちなみに、左よりなのは、本当は最初真ん中にしていたそうです。
それがある時、ちょっとずれて、「あ、ずれたのもなかなか良い」と、スケボーンさん自身が感じ、このデザインになったとの事でした。
本当にシンプル…。(笑)これがパラオを表していますよね!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
パラオのシンプルな国旗の中に隠された様々なストーリー。
- パラオ国旗の青は「海」、黄色の丸は「満月」である。
- そして、自然に支えられ、独立を果たした歴史がある。
- それを踏まえ「海」と「月」というシンプルなデザインが一般公募のコンテストで選ばれ、今に至ります。
素敵ですねえ・・・パラオ国旗にまつわるエトセトラ・・・知れば知るほどに!
海と共にあるパラオの暮らしの中で学んだことは、私自身も本当に多いです。月の満ち引きによって、出かける時間や今日できる作業なんかを決めたり、普通に毎日の違った景色を楽しんだり。そして海でとれたものを食べたり、海にまつわる神話を聞いたり、潮の流れを読んで行動したり・・・
そう考えると、自然、とりわけ海によって生かされていることや、月が毎日そのリズムをはかってくれていることにも感謝したくなります。
海は私たちに食料、生活の知恵、文化、美しさなど、様々なものを与えてくれている。それを忘れないこと、意識しながら毎日暮らすこと、パラオの国旗は多くを教えてくれています。
皆さんがパラオに来られたら・・・是非パラオの人たちに国旗に関するお話や思いを聞いてみてください。
パラオの人たちは何といっても親切です。それぞれの思いやユニークなストーリーを教えてくれるでしょう。そこに共通する「青い海」、そして「月」を是非とも見に来てください。
海を越えて、
この美しいパラオへ・・・

それではSulang!(スーラン→パラオ語でありがとう)
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数年前にこの手のミスリードや、嘘は明らかになっていたと思いますが、また復活してきたようですので、訂正します。
パラオの国旗は日章旗の影響で出来たものです。
元駐日パラオ大使ウエキ・ミノル氏
「日本の国旗からとって青地に黄色にした」とおっしゃっております。
国旗制定時の選考委員会の決定で決まったパラオの国旗はデザイナーが否定した所で、日章旗に類似している時点でその影響を認めざるをえないのです。公募に応募したたくさんのデザインの中から選ばれたという点を軽視し、国旗制定時に日の丸が意識されなかったという印象操作をおこなうべきではありません。
またパラオ大使館はデザインされた方の趣旨が国旗の採用にそのまま反映されたかどうかについては不明としており、この点からデザイナーが否定していても日章旗の影響は無視できず、政府関係者が日の丸モチーフ説に言及している以上、パラオの国旗は日章旗の影響を受けたのは間違いないでしょう。
また、パラオのハイチーフも日の丸モチーフ説を名言していたという情報もあります。
パラオの国旗の由来は諸説あり断定できないとしておくのが良いでしょうが、パラオの有力者が日の丸モチーフ説を名言し、パラオ国民の多くもそう思っているという事は頭に入れておくべきで、外野がそれを否定する必要はありません。
日本人がわざわざそれを否定する理由も全くないですね。